6年ぶりにブログを書きます。
初回は多くの方がその美しさに魅了されるバタフライウイングについて書こうと思います☆彡
「バタフライウイング」は南米のモルフォ蝶の羽を使用した小物やジュエリーの総称ですが古くは19世紀後半頃から存在していたようです
1924年、バタフライウイングは大英帝国博覧会において一躍有名になります。トーマス・L・モットー(TML)が初出品しましたが、見る角度により幻想的な色に変化するモルフォ蝶の羽が使用された装飾品や調度品は多くの人々を魅了し大変な人気を博しました。
これ以降、大流行しジュエリーや小物などに広く使用されるのです。
TMLは1875年に貿易会社を創業していますが、1920年代初期には「リバースペイント」によるジュエリーを生み出し大英帝国博覧会で展示をしています。「リバースペインティング」はガラスの裏に人物や風景などの絵を描きガラスと底板の間にモルフォ蝶の羽を差し込む方法です。リバースペインティングによるバタフライウイングはこの頃の主流となり大流行しました。
TMLは大変な注目を集め、1925年 にはライバル会社であるHenry W King を1933年には Owen Brothers Co.を買収します。
しかしながら、1922年「リバースペインティング」という技法でバタフライウイングの小物や装飾品の特許を取得したのはロンドンのシプトン社でした。
リバースペイントという技法を生み出しバタフライウイングの流行の先駆者となったTMLでしたが、特許を取得しているシプトン社には対抗できず結局のところ買収されてしまいました。
最近、シプトン社の小さな額縁がはるばるイギリスから届きました。
1920年代のバタフライウイングの額縁です。
見る角度により鮮やかなブルーからパープルに変化します。バタフライウイングが愛されてきた魅力は幻想的な色の変化です。
額縁裏には南米由来のモルフォ蝶の羽使用とありますが、実際はイギリスでモルフォ蝶を養殖しその羽を使用していました。傷みやすい繊細な生き物の羽なので商品を作るためにはるばる南米から調達することは現実的ではありません。
バタフライウイングには、フェイクもあります(下写真)。大人気であったことや繊細な蝶の羽を使用するという手間を考えればフェイクが登場するのは自然な流れでしょう。
本物の写真(上)を見るとフェイクとの違いは明確です。
動画で見るとバタフライウイングの幻想的な色の変化をより楽しむことができます。